よくある質問
法律相談に関するよくある質問
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法律相談をしたいのですが、どうしたらいいでしょうか。まずはお電話にて相談日時の予約をお願いします。
弁護士による相談が可能な日時をお知らせしますので、ご都合の良い日時で予約してください。 -
法律相談の時に何か持っていくべき物はありますか?特に決まったものはありませんが、相談内容に関係する書類等を法律相談にお越しになる際にお持ちいただければ、より正確な相談が可能になります。もしそのような書類等がありましたら、お持ちください。
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相談時に話す内容は他人に知られたくない事も含まれているのですが。ご安心ください。弁護士は、職務上守秘義務を負っていますので、ご相談内容を第三者に漏らすことはありません。法律相談の際には、気兼ねなく全て弁護士にお話しください。
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法律相談の後、弁護士に依頼をする場合の費用を知りたいのですが。ご相談の際に、弁護士に依頼をしてから事件の解決に至るまでにかかる報酬や費用等についてご説明いたします。
相談の結果、費用の説明をお聞きのうえで、弁護士への依頼を検討いただければと思います。
相談内容に関するよくある質問
遺産をめぐるよくある質問
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私にはたいした財産もありません。遺言書を書くなんて縁のない話だと思いますが。財産の多寡と、残された家族の紛争の程度は、比例しません。ご遺族は、悲しみの中にあるので、予想外のことにこだわり争うことも多いのです。遺言書を書くことで、争いを押さえることもできます。
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遺言の書き方に決まりはありますか。自分で書いておけば良いのですか。自筆で遺言を作成すること(自筆証書遺言)はもちろん有効です。しかし、不動産がある場合にきちんと登記できるか、預貯金がある場合に名義変更が速やかにできるかという観点から言えば、あらかじめ弁護士に相談して案文を練り、公正証書遺言にしておくことをおすすめします。遺族は、葬儀や法要に心をくだくことになるので、遺産相続の手続をなるべく円滑にできるようにしてあげるのが良いと思います。
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私が希望する人に財産をすべて渡すようにしたいのですが、可能ですか。遺言がなければ、相続人が法律の定める割合に従って財産を共有し、遺産分割協議で具体的な分け方を決めることになります。そのため、ご自分の希望する人に財産をすべて相続させるという遺言書を作成することになります。
ただし、遺言で希望する人に全ての財産を渡すとした場合でも、遺留分といって、財産をもらえなかった兄弟姉妹以外の相続人は、遺産を受け取った人に対して、法律の定める一定の割合の持分の返還を請求することができます。なお、この遺留分は、自ら積極的に請求する手続をとらないと実現しませんし、期限も1年間に限られています。 -
外国語で遺言をすることもできますか。自筆証書遺言は日本語に限りませんから、可能です。しかし、通訳を入れて公正証書を作成することをおすすめします。
遺産を受け取る側からのよくある質問
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親が高齢になり少し理解力が低下しているようですが、遺言をしても有効でしょうか。認知症であると診断されたからといっても、直ちに遺言の能力がないと判断される訳ではありません。また、症状には波がありますから、物事を弁識する能力がある状態で作成した遺言は有効です。いずれにしても医師に相談して下さい。
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親が亡くなり、自筆の遺言が見つかりました。どうすれば良いですか。家庭裁判所に行って検認という手続をとって下さい。但し、検認されたということと、遺言の無効を後日争うのは、別の問題です。
成年後見(任意後見)に関するよくある質問
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現在、私は65歳になるのですが、少し物忘れも出てくるようになりました。また、頼れる家族や親戚が近くにおりません。今後、身の周りのことを決められなくなるかもしれず、そのときに誰かに騙されてしまったりしないか心配です。
このような場合、成年後見制度というのがあるのを聞きましたが、どのような制度なのでしょうか。成年後見制度とは、ご本人の判断能力が精神上の障害により不十分なために、成年後見人が本人の判断を支え、また本人に代わって、財産管理や暮らしに配慮して、支援する制度です。後見人が選任されると、本人のために財産を本人に代わって管理し、重要な契約を結ぶことができます。また、本人が詐欺などに遭った場合、契約の取消も行使することができます(任意後見人は不可)。さらに、後見人は家族や福祉関係者と協力して、本人の身の周りの世話への配慮を行います。 -
後見人は、家庭裁判所が選ぶと聞きましたが、自分の生活を支える人なので、後見人は自分で選びたいです。将来に備えて、後見人を選んでおくというような制度はないのでしょうか。成年後見には、法定後見と任意後見があります。法定後見とは、本人の判断能力が低下したときに、本人の家族などが家庭裁判所に後見開始の審判を申し立てて、成年後見人を選任してもらうものです。質問のとおり、法定後見では、成年後見人は家庭裁判所の裁量で誰を選ぶかが決まります。本人の判断能力の状況、生活状況、財産の多寡、親族間の紛争の有無などを考慮して、親族や弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門職を選任します。
任意後見では、あらかじめ自分の選んだ後見人候補者が任意後見人となります。自分で後見人を選びたいという方は、任意後見制度の利用をおすすめします。 -
任意後見制度の利用方法を教えて下さい。任意後見制度を利用するには、本人と任意後見人候補者とが、任意後見契約を結び、後見事務の内容や、代理権の範囲、報酬額をあらかじめ決めておく必要があります。
任意後見契約を結ぶには、公正証書を作成しなければなりませんので、候補者とともに公証役場に行く必要があります。
本人の判断能力が不十分になったと判断された段階で、任意後見人候補者が家庭裁判所に行き、任意後見監督人選任の請求を行うことにより任意後見が開始します。 -
任意後見人が選任された後はどのようになりますか。後見人への報酬はどのように決まりますか。任意後見人は、本人の財産を管理したうえで、本人の生活支援への配慮を職務として行います。具体的には、家賃や生活費用の支払い、福祉サービスの選択と利用、必要に応じた財産の処分、重要書類の保管などを行います。なお、任意後見人が適切に仕事をしているかどうかをチェックするため、任意後見の開始と同時に、任意後見監督人も選任されます。
任意後見人の報酬については、財産の多寡、生活環境などを考慮して、任意後見人候補者とよく話し合った上で、契約時にその額を決めます。任意後見人の報酬は、本人の財産から支払われます。
なお、任意後見の場合、必ず任意後見監督人が選任されることになりますので、任意後見監督人の報酬(家庭裁判所が決めます)も同時に支払うことになることには注意が必要です。 -
任意後見が開始される前についても、財産管理を候補者に頼むことができるのでしょうか。また、私が亡くなった後のことも任せてもいいのでしょうか。任意後見人開始前は、候補者に権限があるわけではないので、別途財産管理契約(見守り契約)を締結しておくと便利です。継続的な見守りが可能になりますので、任意後見にもスムーズに移行できるというメリットがあります。
また、本人が亡くなった場合、後見人の業務は終了してしまいますから、ご心配な方は、死後事務委任契約なども締結しておくと、葬儀などを受任者に任せることができます。
その他、遺言、尊厳死に関する意思表示なども併せて公正証書を作成しておくことにより、安心で自分らしい生き方への万全の備えをしておくことができます。詳細はお問い合わせ下さい。
働く人の法律相談よくある質問
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会社に辞めると告げたら、「いま辞められたら会社は大損害だ。損害賠償を請求する」と脅されました。正社員か否かを問わず、雇用契約期間を定めていなければ、いつでも退職を申し出ることができ、申し出てから2週間が過ぎれば、退職となります。違法行為をした訳ではありませんから、損害賠償義務を負うこともありません。申し出から退職となるまでの2週間は働く義務がありますが、この間に残っている有給休暇権を行使することにより、会社が後任への引き継ぎのために時季変更権を行使しない限り、休むこともできます。
雇用契約期間を定めている場合であっても、やむを得ない事由があればただちに退職できます。 -
仕事で運転中に不注意で事故を起こし社用車を壊してしまい、会社から修理代を請求されています。不注意(過失)で他人の物を壊し損害を与えてしまった場合、損害賠償義務を負います。しかし、会社は、従業員の労働力を利用して利益を上げ、保険等で事故のリスクに対応することもできるのに、いざ事故が起きると全面的に従業員に責任を負わせるというのはバランスを欠きます。そこで、裁判所は、従業員に重大な過失があったという場合でない限り、従業員の損害賠償責任を大幅に限定することが多いのです。
また、従業員が一定程度損害賠償義務を負うとしても、これを会社が給料から天引きすることは禁じられています。
これまで朝日新聞夕刊に連載された、働く人の法律相談が、新書「会社で起きている事の7割は法律違反」(朝日新聞出版)というタイトルで出版されました。本稿のよくある質問のほか、働く現場で起きる様々な法的トラブルについて、日本労働弁護団の執筆陣が分かりやすく解説していますので、是非お買い求め下さい。