日弁連の副会長に就任しました! 【2022年事務所ニュース夏号】
弁護士 芳野 直子
2022年4月1日から、日本弁護士連合会の副会長に就任いたしました。
弁護士の使命は、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現すること」です(弁護士法1条1項)。弁護士というのは真っ正面から「社会正義」を掲げている希有なお仕事です。その意味で、近接業種は、ウルトラマンだったり仮面ライダーだったりなのかもしれません。私はこの真っ直ぐな理想を掲げる弁護士法1条がとても好きですし、弁護士を続ける上での大切な指針となっていると思います。
日弁連は、その「弁護士及び弁護士法人の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士及び弁護士法人の事務の改善進歩を図るため、弁護士、弁護士法人及び弁護士会の指導、連絡及び監督に関する事務を行うこと」(護士法第45条第2項)を目的として、日本全国の4万4千余人すべての弁護士が登録している法定団体です。日弁連の執行部は、選挙により選ばれた会長と全国各地から集まった15人の副会長で構成されています。
日弁連は、人権擁護に関する活動、各種法律改正に関する調査研究・意見提出などなど、社会のあらゆる場面に関連する様々な課題について、幅広い取り組みを行っています。副会長は、沢山の専門的な委員会を分担して担当し、委員会から上がってくる立法提言などの意見書や会長声明・談話などを正副会長会や理事会に提出し、議案説明を行います。意見書等を挙げてくる専門委員会は、その問題に長年取り組んで研究検討を続ける弁護士達が属しています。その専門家中の専門家である委員会が挙げてくる意見書等は、これまた極めて専門的であったりします。これが今必要な提言か、人々に納得してもらえる提言なのかなど様々な角度で副会長として検討し、理事会等の議論を経た上で、日弁連として世の中に提起します。
日弁連のホームページを覗いてみてください。多くの意見書や声明などが掲載されています。これらは、弁護士法1条の使命に鑑みて、日々の専門家中の専門家達の研鑚の結果と弁護士会の叡智を集めたものです。
私は、日弁連副会長として、消費者問題対策委員会や情報問題対策委員会、市民のための法教育委員会などを担当しています。
消費者や法教育の関係では、今年4月1日に、140年ぶりに成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、若年者の消費者被害の増加が懸念されることからの提言や取組みを行っています。情報問題では、情報化社会の流れの中で、見過ごされがちな個人情報の保護や自己情報コントロール権の観点で研究がなされており、今年9月の人権大会で「デジタル社会の光と影」というタイトルでシンポジウムが企画されています。人間社会が多様化複雑化高度化していく中で、日弁連は様々な発信をしていくことになると思います。
副会長の任期は一年です。この一年間、「基本的人権の擁護と社会正義の実現」という弁護士の使命を踏まえて日弁連副会長として、一所懸命頑張って参ります。どうか皆様の温かいご支援・ご鞭撻をよろしくお願いいたします。