オーケストラはすごい! 【2023年事務所ニュース 夏号】
弁護士 三木 恵美子
日本フィルハーモニー交響楽団は、坂本堤弁護士と家族の救出活動に多大な支援をしてくれました。そのご縁で、私は定期演奏会の会員になり、更にはパトロネージュになっています。
先日、首席指揮者のピエタリ・インキネンの任期が終わるのを記念して、ベートーベンの第九交響曲(合唱付き)が立て続けに演奏されました。みなとみらいホールでは、インキネンが渾身の煽り方をしてオーケストラが雪崩を起こしそうになり、それに対してコンサートマスターの田野倉雅秋が中腰で立ち上がって支え、まるで指揮者が二人いるみたいでした。ところが、翌日のサントリーホールでは、全く予定調和。何か、物言いでもあったのかしら。
引き続いて、桂冠指揮者の小林研一郎が小山実稚恵のソロでチャイコフスキーのピアノ協奏曲1番をやり、日フィルもこの組み合わせで何回となくやっているので、「さすが、大御所、第一人者」とみなとみらいホールの観客全てが満足したのですが、翌日サントリーホールで全く同じ曲を演奏し始めた瞬間、「あれ?音響が違うのかな?」ぐらいに衝撃的で、そのあとも小山さんは乗りまくり大迫力の演奏、それに触発されたのかオーケストラ全員もパワー炸裂でした。あれだけの大御所が何百回と演奏している曲でたった一日でこれだけの違いが出ることがあるのか、そしてそれによって一緒に演奏するオーケストラ全体が化学反応を起こすのかと、ほんとに初めての体験でした。人間ってすごい。