コラム

インボイス 【2024年事務所ニュース 新春号】

弁護士 佐藤 正知

 
 昨秋1年限定の所得税減税を打ち出した首相は、一見減税メガネのように見えるが、れっきとした増税メガネである。日本の消費税収は、既に所得税や法人税を上回っており、昨年10月から始まったインボイス制度を意識する必要がある。
 この制度に反対する運動に対し、ホリエモンこと堀江貴文は、「これまで消費税を「着服」してたくせによー言うわ。ちゃんと払えや」とSNSで吐いた。しかし、町の小さな商店を想起すれば明らかであるが、消費税免税事業者は、消費者等に対し消費税を請求する立場になかったのであって、受け取ってもいない消費税を着服したという言説は妄言も甚だしい。そして、消費税免税事業者は、今後インボイス登録をしてインボイスを発行しないと、消費税納税事業者と取引を続けてもらえないおそれがある。消費税納税事業者は、消費税免税事業者との取引を課税仕入れとして取り扱えなくなり、消費税納税額が上がるからである。このため消費税免税事業者が新たにインボイス登録をすると、消費税納税事業者との取引だけでなく、消費者との取引でも消費税を請求することになる。増税以外のなにものでもない。
 ある調査では、インボイス制度開始後、経理担当者1人あたり月12時間業務が増加したという。そもそも事業者に何の得もないのに経理事務に膨大な手間を生じさせるインボイス制度は、事業者の生産性向上に対する妨害行為にほかならない。
  本年もよろしくお願い申し上げます。