新人紹介 【2023年事務所ニュース 新春号】
弁護士 大﨑 茉耶
はじめまして。1月より横浜法律事務所に入所いたしました、大﨑茉耶(おおさきまや)と申します。これからどうぞよろしくお願いいたします。この場をお借りして、私が弁護士を目指したきっかけや、どのような事に取り組みたいのかをお話いたします。
私は生まれてから高校卒業まで、雪深い富山県にて育ちました。その中でも魚津市という海と山に囲まれた町で、毎日公民館に通ったり地区の季節行事に参加したりと、楽しく田舎暮らしをしていました。しかし、大きくなるにつれて、周囲から聞く「長男だから家を継ぐ」「女の子が男の子より成績がいいとお嫁にいけない」などという言葉に違和感を覚えることが増えてきました。当時はこのような違和感を訴えることは、周りの大人の「常識」に歯向かうわがままに感じ、なかなか言えないでいました。
そんな中、オープンキャンパスで法学部のジェンダー論の模擬授業を受け、この性別はこうあるべきだといった考えに対して違和感を覚えることは、私のわがままではない、嫌だと声を上げていいものなのだと気付き、もっとこの学問について知りたいと考えるようになりました。
これをきっかけに、私は主に女性に対する差別的な価値観から女性を守りたい、おかしいと思った女性が声を上げるサポートをしたいと思って弁護士を目指すに至りました。そして大学でジェンダー論を学ぶ中で、この問題は古い価値観の根強い田舎だけではなく、都会にもあるのだと実感し、地域関係なく全国でジェンダー・バイアスをなくす必要性を強く感じるようになりました。そして性別による差別を防ぐ様々な法律や研修が既にある一方、組織を一歩出た私生活では、人々がこの問題意識を欠いている状況を変えるべきであり、私生活においても、性別での役割分担を押し付けてはいけないのだという価値観が当たり前になるような教育的制度が必要であると考えるようになりました。
そしてようやく弁護士というスタート地点に立つことができ、ここからは学問としてのジェンダー論を飛び出し、現実で起こっている様々な問題に取り組めるのだという期待と不安でいっぱいです。ジェンダー・バイアスは家事や労働をはじめ様々な問題の根底にある問題であることを常に意識し、目の前の法律問題の解決と共に、そのバイアスをどう是正していくのか、次の世代がバイアスを持たないためにはどうすれば良いのかということを考えながら、仕事に取り組みたいと考えています。
初心を忘れず、少しでも「性別に関係なく誰もが生きやすい」世の中に近づけるにはどうすべきかを模索し続けるよう努めてまいりますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。