コラム

バーニング・ダウン・ザ・ハウス   【2023年事務所ニュース 夏号】

弁護士 杉本  朗

 
 こないだ終わった国会では(第211回(常会))、いろいろな法案が通りました。

 議論をして話をまとめるのですから、すべての人たちが満足するという結果にはならないのは、仕方ないかな、と思います。

 しかし、そうはいっても、まぁここまで議論したんだから仕方ないかな、と反対の立場の人たちも納得出来るような手続が践まれていることは必要だと思います。そうしたきちんと議論をしたうえで話をまとめるという過程がつくされていたのかというと疑問なところがあります。外交を優先して、××が始まる前には成立させたいとか(法律って外交のお土産なんですかね)、〇〇時間審議しているからもう審議は尽くされたとか(審議時間は一つの指標ではあるでしょうが、あくまで指標であって審議実態を示すものではないと思います)、そんなことで審議が打ち切られるのは違うんじゃないかな、と思います。

 国会できちんと議論をしてその過程を国民に示すこと、それが憲法が両議院の会議の公開を定めている由縁ではないでしょうか。

 私たちは、国会がその務めをきちんと果たすように見守っていかなければならないと思います。