公契約協議会【2024年事務所ニュース 夏号】
弁護士 小島 周一
昨年9月から今年の3月まで計4回開催された神奈川県「公契約に関する協議会」の副会長を務めた。公契約とは、神奈川県が行う建築工事やビルの清掃等を民間の会社に委託する際に、県と会社間で締結される契約である。公契約に関する条例を定めるべきか否か、その内容はどうあるべきかを検討する協議会だ。
実は、2013年度にも公契約協議会の副会長を務めた。このときは、現場で働く労働者の低賃金が大きな問題となっており、公契約の中に元請・下請問わず一定額以上の賃金を支払う条項(賃金条項)を入れることを条例で定めるべきかが主たる論点となった。結局、入札制度の改善、業務委託の積算基準のルール化、労働者の賃金実態調査などを提言するに止まり、賃金条項を含む公契約条例を制定すべしという私の意見は採用されなかった。
10年ぶりに開催された協議会で、県から、この10年の入札制度の改善や業務委託に関する積算基準の作成状況、賃金実態調査結果が報告された。その結果、前回の提言が着実に実行され、労働者の賃金も改善されていることが明らかとなった。
今回も、公契約条例を制定すべしという結論には至らなかったが、前回と同様、入札制度の改善や積算基準の一層のルール化、賃金実態調査の継続は提言された。将来のより良い公契約に向けて、最低限の役割は果たせただろうか。






