コラム

祈りの長崎【2024年事務所ニュース 夏号】

弁護士 三木 恵美子

 この春、長崎に行きました。原爆が炸裂した場所は川の上で、両脇に山が迫っていました。爆風と熱線がこの間に集中する地形です。一番奥に浦上天主堂がありました。鐘楼が横倒しになったまま保管されていました。

 カテドラルが全壊したために生じた瓦礫の中から、鐘を掘り出し、マリア像も見つけられ、被爆した十字架も渡米の曲折を経て元の場所に戻りました。そして、被爆したマリアのご像と十字架を携えて、長崎の信徒さんたちは,加害国であるアメリカ合衆国の人々を含めて世界中の心ある人に訴えかけ,世界各地で平和を求める行脚を続けてこられていることを知りました。ヨハネパウロ2世、フランチェスコ両教皇が長崎に心を寄せて語った言葉が記されていました。長崎市という地方自治体とカトリック教会が原爆の禁止と平和の希求という一致点で一緒に行動していることについて,とやかく言う人は見当たりませんでした。

 私の生まれ育った街は広島市から45キロの場所にあるので、広島で被爆した方々は身近におられました。どちらの訴え方が良いとか優れているというのではなく、被爆の事実を明らかにして二度と繰り返さないという意思を伝えるのに、それぞれのやり方があるのだと思いました。