誰も排除されてはならない社会【2024年事務所ニュース 夏号】
弁護士 太田 伊早子
私たちの社会にはシンプルなルールがあります。それは「誰も排除されてはならない」というルールです。一人ひとりがこの社会の構成員であり、また、どんな人であれ他者の存在なくして生きていくことは困難です。一人ひとりが安心して生存するためには、「誰も排除されてはならない」というルールがもっとも有効なのです。
ところが、現実には、制度や仕組みから排除されてしまっている場合があります。
例えば、日本では結婚は異性間でしか認められていません。性的指向によって結婚という制度から排除されている状態が生じています。
トランスジェンダーの人たちが置かれている状況を考えてみましょう。トランスジェンダーの人たちは災害時の避難、医療、トイレ等の利用、教育、就労等様々な場面で困難を抱えています。しかし、これらは最も基本的な権利であり、阻害されている状況は他者との共生をはかりながらいち早く解消しなければならないはずです。
社会的な排除はLGBTQの方たちだけの問題ではありません。例えば、東大が授業料の値上げを検討しているという報道がなされています。大学の学費は、親の経済力に頼ることができるか否かによって高等教育を断念する状況を生み出す可能性があります。これは経済的困難を抱える子どもたちが高等教育から排除されているといい得るのではないでしょうか。
社会のなかで制度から排除されてしまっている状況がないかを人権の角度から点検し、その解消をしていくことが大切だと思っています。






