コラム

岡山にて

弁護士 佐藤 正知

 本年もよろしくお願い申し上げます。
昨秋、日本労働弁護団総会が、岡山県で開催された。午後開会だったので、前日の夜行列車サンライズで当日早朝岡山入りし、小学校卒業まで暮らした町、倉敷を回ってみた。
まず、国鉄時代の希有な気動車を運行する水島臨海鉄道で、水島コンビナートまで行き、かつて父が勤務していた製鉄所の門まで歩いてみた。倉敷の町に戻って、自転車を借り、かつて住んでいた家、通っていた小学校、近所の店などをまわった。水田や、い草畑ばかりだった辺りが、大きな道路や宅地に変貌していたが、名残の用水路は残り、昔と同じくザリガニや小魚がいた。
総会が終わった後、卒業以来ご無沙汰していた小学校6年生の時の担任の先生と酒を飲んだ。今の時代公言できない思い出話に花を咲かせ、当時は知らなかったことも伺った。
非常に残念だったのは、この恩師も、昨今社会問題となっているパワーハラスメントで非常に辛い思いをなさっていたと聞いたことだ。
ほっこりしたのは、この先生が、今は専業主夫だと言いながら、保護司になられたことだ。とても適任であると思いながら、また夜行列車に飛び乗って帰途についた。