弁護士　杉本　　朗

　今年の上半期は、COVID-19の流行に伴う緊急事態宣言などで、みなさんも落ち着かない毎日を過ごされていることと存じます。
この落ち着かない気分は、なんだか記憶にあるなぁ、とぼんやり思っていたのですが、丁度9年前もそうだったなぁと思い当たりました。東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故です。
　あのときも、いろんな情報がいろんなところを駆け巡り、情報の受け手に過ぎない私はその波の中で溺れていました。為にする情報もあったとは思うのですが、相反するどころか四分五裂するような内容の情報の中で、何を信じればいいのか分からない状態で日々を過ごしました。
今回も、ウイルスの伝播経路について超大国が喧嘩していますし、マスクがどの程度効果があるのかもいろんな意見があります。全くマスクをバカにしていた欧米の人たちがマスク着用に走ったところをみると、厳密に科学的にどうなのかはともかくとして大雑把にはマスクが役立つと言えるんだろうな、と感じていますが。
　しかし、私たちが感じる不安の要因の一つとして、きちんと情報が私たちに届けられているのか、ということもあると思います。情報が的確に私たちに開示されることが必要なのではないかと感じています。