コラム

黒川杯

弁護士 佐藤 正知

 大学生のころは、機会があれば仲間を集め私の下宿で麻雀卓を囲んでいた。司法試験終了日などは恒例行事であった。
 司法修習生のときにも、修習同期とよく伊勢佐木町の雀荘に行っていた。
 と言っても、ずっとヘボ麻雀だった。
 しかし、弁護士になってからは、なかなか卓を囲む機会がないまま、気付けば20年近く牌を握っていない。事務所のK島さんはとてつもなく強く、その名を冠する麻雀大会が出身大学サッカー部にあるらしいが、卓を囲んだらえらいことになりそうなので、1度も手合わせしたことがない。
 こんなこともあって、黒川元検事長の麻雀好きを責めたいとは思わない(賭けは別)。黒川杯なる、検察庁前での麻雀大会企画があったらしいが、面白そうだ。
 しかし、安倍政権は、ギャンブルを理由に検事長を更迭しながら、他方でカジノを推進するなど、矛盾と言うほかない。
 また、検事長定年延長問題に表れた、勝手な法解釈変更を強行し、権力を縛る法を無視する政府のやり方は、集団的自衛権を容認したときと同様、権力を欲しいままにする行為であって、断じて許しがたいのである。