コラム

横浜法律事務所が調査対象!?

弁護士 佐藤 正知

 6月16日未明、通常国会閉会のどさくさに紛れ、重要土地等調査法が参議院で与党の強行採決により成立した。これは、横浜法律事務所にとっても由々しき問題である。
 というのも、事務所の1キロ圏内には、南関東防衛局や横浜海上保安部がある。すると、防衛施設や海上保安庁施設等の重要施設の1キロ以内ということで、事務所のビルも注視区域指定の対象となり得る。もし注視区域指定されると、国は、ビルの利用者である我々事務所員に対し、ビルの利用に関し報告又は資料の提供を要求できる。当然このような要求には応じたくない。でも拒否すると、刑罰を科されることになる。
 振り返ると、かつて、我々が加入する神奈川労働弁護団、青年法律家協会神奈川支部、自由法曹団神奈川支部等で行っていた有事法制反対集会に、自衛隊情報保全隊が潜入し情報収集していたことが発覚したということがあった。公安警察でも問題だが、自衛隊に直接監視されていたということで、恐ろしい気持ちになったものである。他の地域では、これが訴訟になり、違法性が認められた。
 権力者が我々市民を監視するのではなく、我々市民こそ権力者の行動を監視すべき主権者である。そのためにも投票に行こう。

【2021年事務所ニュース夏号】