コラム

新しい世界

弁護士 芳野 直子

 コロナ禍が始まってからの2年間、私たちはこれまでの生き方と全く違うスタイルを強いられてきました。リアルで会えない寂しさや伝わらないもどかしさは、いかに人とのふれあいの中で生かされていたかを改めて実感する機会となりました。しかし、新しい関係性も獲得することもできました。
 元々文化系+アナログ頭の私は、コロナ禍にでもならなければ、様々なwebのコミュニケーションツールを多用することはなかったと思います。それが、やむをえず公私共々頻繁にwebでの通信を行うようになりました。そうすると不思議なことにこれまで疎遠になっていた友人達との交流が増えていったのです。今、大学時代の仲間とは月に1回それぞれの働いてきた分野での話をzoomで語りあっています。昔はみんな同じ様な青臭い学生だったのにこんなに立派になって……。
 私の知らない世界で一筋に働いてきた同窓生の生き様はなんとも新鮮に感じます。中国からの留学生だったゼミの後輩からzoomで中国語を習うなんてこともできました。コロナにより国境は事実上封鎖されていても今は苦も無く海を越えて交流できることがなんだか嬉しくもあります。コロナ禍は人類にとって間違いなく逆境ではありますが、それを吉と変えていくのも、また人類の知恵なのかもしれません。
 コロナ禍が収まった先に、新たな世界と視点が開けることを期待して2022年に望みたいと思っています。今年もよろしくお願いいたします。

【2022年事務所ニュース新春号】