コラム

暦の上ではディセンバー【2025年事務所ニュース 新春号】

弁護士 杉本 朗

 

 『RIBBON』という映画があります。2022年に公開された、のんの劇場映画第1作で、脚本・監督・主演をのんがつとめています。ディーザーは岩井俊二が制作し、主題歌はサンボ・マスターという、力の入ったプロモーション体制で公開されました。
 のんはご存知のとおり、能年玲奈の本名で、2013年度のNHK朝の連ドラ『あまちゃん』の主役を務めました。朝の連ドラについては私たちの業界で昨年盛り上がっていましたが、個人的には『あまちゃん』を超えるものはないと思っています。社会的コンテキストを次から次へとぶちこんでは脱構築するし、どっちかというと現代音楽の人に昭和歌謡やらせるし、歌手と影武者の配役の妙とか、ステージと奈落とか今でも見ると新しい発見があります。
 さて、その『RIBBON』は、コロナ禍のため卒業制作が中止になってしまった美大生の挫折と再生の物語です。法学部出身の私には、え、卒論書かなくてよくなったの、ラッキー、ぐらいにしか思えないのですが、美大に行ってる人たちにとっては、卒制が4年間の集大成であり、それがなくなることによる喪失感は相当なもののようです。
 ちなみに映画に出てくる美大は「帆智美術大学」ですが、「多摩美術大学」から取られています(たぶん)。ポチタマですね。ロケーションも多摩美の上野毛校舎と八王子校舎が使われています。印象的なキャンパスの中庭とか、走り抜けて行く大学脇の道路は、上野毛校舎です。
 しかし、その上野毛校舎も現在1号館を除いて建替工事が進んでいます。映画では印象的だった中庭もすべて壊されてしまいました。残念なような気もしますが、変わらないものはないということなのかもしれません。