コラム

弁護士として生きる

弁護士 芳野 直子

2019年3月末日をもって、神奈川県弁護士会の会長の任期を無事終了することができました。温かく見守って応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。弁護士会というところの良いところは、会長が終わったとたん本当にただの一弁護士に戻れるところです(まあ、現場の感触を取り戻すのに少々時間は必要ですが)。一年間監督に就任してピッチの外から声をあげてきたけれども、ようやく現役の選手に戻ってグラウンドに立ったという感じでしょうか。そして現場に戻ってみて、実際に困っている人や悩んで来る人に直接向き合い、その人の声を聴くと、その人たちのために依頼を受けるという弁護士というのは、やりがいのあるすばらしい仕事なんだなぁと、改めて実感します。私に弁護士としての仕事を最初に教えてくれたのは横山國男先生で、私にとっては師匠のような存在でした。横山先生は、事務所の創設者であり、1988年度の横浜弁護士会の会長でもありましたが、人の上に立つよりは、人と並んで一緒に歩むことをとても大切に思っておられ、依頼者には頼りになるが丁寧で親切、30年以上後輩で駆け出しの私にも優しく偉ぶるところが微塵もない方でした。現場に戻って、横山先生の生きざまをもう一度思い出しながら、気持ちを新たに始動していきたいと思っています。皆様どうかよろしくお願いいたします。