コラム

ゲット・オフ・オブ・マイ・クラウド  

 弁護士 杉本  朗

 新しい年が始まります。みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
昨年は、新型コロナウィルスの感染流行があり、あまり季節の移り変わりを楽しむ余裕もなく一年が過ぎた気がします。
日本の政治では、安倍政権が退陣し、菅政権が発足しました。そもそも菅さんは安倍内閣の官房長官でしたから、あまり変わり映えがしない感じです。
 アメリカでは、三選が禁止されて以降、再選がならなかった四人目の大統領が誕生しました。(厳密に言うとこの原稿を書いているのは旧年中なので、本当の意味での大統領選の帰趨は分からないのですが)しかし、これによってドラスティックに変化がもたらされるのかというと、かならずしもそうではないような気がします。得票数は結構競っており、上下院でも一方陣営が圧倒的に優位に立っていないので、何かめざましい変化というものは難しいと思います。
 ただ翻って考えてみますと、微々たる変化、というのは必ずしも悪いことばかりではないのではないでしょうか。急速な社会変化は予測の困難をもたらします。明日どうなるか、明後日どうなるか、という予測が全く立たないという状況は、私たちの生活を不安定なものとし、私たちの気持ちを不安にします。
 少しずつ、世の中が変わっていくというのは悪くないように思います。

【2021年事務所ニュース新春号】