2026年09月15日
二〇二四年九月二六日、無実を訴え続けてきた元死刑囚の袴田巌さんの再審事件で、静岡地方裁判所は無罪判決を言い渡しました。判決では、死刑判決の根拠となった三つの証拠を捜査機関による捏造と断じて排除したことが無罪の理由とされました。 事件から五八年、死刑判決が確定してから四四年が経過し、袴田さんは八八歳になっていました。 死刑制度は取り返しのつかな
2026年09月01日
弁護士 大﨑茉耶 昨年の事務所ニュース夏号にてご報告いたしました「結婚の自由をすべての人に」訴訟の東京二次訴訟において、法律上同性のカップルが婚姻と同様の法的利益を享受したり、社会的に公証を受けたりすることができる制度が全くない状況が、憲法24条2項に違反する状態であると判断しました。また同日、札幌高裁ではさらに進んだ違憲判決も出ました。これで、本
2026年08月17日
弁護士 有野 優太 昨年末から、事件活動と並行して、本や雑誌の原稿を執筆する機会が増えています。 まず、2023年12月、『サクラサイト被害救済の実務〔第2版〕』(民事法研究会)を執筆いたしました。この本は、主に弁護士等専門職向けに、インターネットを利用した消費者被害についての対処法を書いた本です。私は、近時、社会的に問題となっている国際ロマンス
2026年08月03日
弁護士 太田 伊早子 私たちの社会にはシンプルなルールがあります。それは「誰も排除されてはならない」というルールです。一人ひとりがこの社会の構成員であり、また、どんな人であれ他者の存在なくして生きていくことは困難です。一人ひとりが安心して生存するためには、「誰も排除されてはならない」というルールがもっとも有効なのです。 ところが、現実には、制度や
2026年07月08日
1 はじめに インターネット・SNSの急速な発達、そして、政府による副業・兼業、投資の促進等を背景に、近時、インターネット・SNSを経由した、投資詐欺、情報商材、副業詐欺等が急増化しています。 その中でも、特に、「SNS型投資詐欺」や「ロマンス詐欺」と呼ばれる、SNS等を通じて対面することなく、交信を重ねるなどして関係を深めて信用させ、投資金名目やそ
2026年07月01日
弁護士 佐藤 正知 今春、JRみどりの窓口の激しい混雑がニュースとなった。2021年、JR東日本は4年間で440か所のみどりの窓口を140か所に削減する方針を示し、実際209か所にまで削減していた。残ったところも、ブースが削減されている。 スマホだけで改札を通れたり、簡単に新幹線や特急の予約や変更をできチケットレスとなり、便利になった面はあり、私
2026年06月15日
弁護士 杉本 朗 裁判官の身分は憲法で保障されていて、簡単にはクビになりません。心身の故障のため職務を果たすことができなくなったと司法裁判所の裁判により認められたときを除き、弾劾裁判所の罷免(クビ)の判決を受けない限り罷免されることはありません。 まず、衆議院と参議院のそれぞれの議員の中から10名ずつ選ばれた合計20名の訴追委員で組織される訴追
2026年06月01日
弁護士 芳野 直子 日本最初の女性弁護士の一人である三淵嘉子さんをモデルにした朝ドラ「虎に翼」が面白い。 ドラマでは、実際に起きた「帝人事件」(昭和9年に起きた疑獄事件)をモチーフに、緊迫感のある裁判が繰り広げられた。その裁判のロケは「名古屋市市政資料館」で行われたらしい。ここは旧名古屋高等裁判所の建物で、法廷も昔のまま保存してあって、法服(当時
2026年05月15日
弁護士 三木 恵美子 この春、長崎に行きました。原爆が炸裂した場所は川の上で、両脇に山が迫っていました。爆風と熱線がこの間に集中する地形です。一番奥に浦上天主堂がありました。鐘楼が横倒しになったまま保管されていました。 カテドラルが全壊したために生じた瓦礫の中から、鐘を掘り出し、マリア像も見つけられ、被爆した十字架も渡米の曲折を経て元の場所に戻り
2026年05月01日
弁護士 小島 周一 昨年9月から今年の3月まで計4回開催された神奈川県「公契約に関する協議会」の副会長を務めた。公契約とは、神奈川県が行う建築工事やビルの清掃等を民間の会社に委託する際に、県と会社間で締結される契約である。公契約に関する条例を定めるべきか否か、その内容はどうあるべきかを検討する協議会だ。 実は、2013年度にも公契約協議会の副会長